松澤宥が1970年代の初頭に発信した「世界蜂起計画」は毎年開催され、2000年にパリのルーブル美術館にて最終章を迎える計画のはずであったが、第3回までの開催に終わり、それらの資料はお蔵入りして消滅したかに思われていた。彼の7回忌を機に、計画されていたかのように突如「世界蜂起計画」の全貌が顕われた。これを機に、22世紀に向う新たな「世界蜂起計画」を松澤宥を研究・検証・継承していく活動をしている者達が、連携し、「世界蜂起計画」を発信するプロジェクトを開始することにした。松澤宥の計画した「世界蜂起計画」を追体験するとともに、芸術の枠を超えて、22世紀を思考する哲学者、科学者、教育者、医者、政治家など、あらゆる分野の専門家達が思考する重要な思想を集積するとともに、それらを世界に向けてメッセージするべく、美学校「思想の鍊金術師養成教場」が実行委員会となり提供していくプロジェクトになります。
「世界蜂起展」は松澤宥のプロジェクトを引き継ぐものです。メールアート(郵便によるもの)はインターネットの時代になってから、その存在理由がなくなってしまったようなとこ ろがありますが。しかし郵便で送った小さな紙片・メッセージ(絵や文章)がそのままアート作品になるという考え方は、 インターネットとも共存できるものだと思います。今回の展覧会は新しい「世界蜂起」のプロローグのようなものです。 その意図を汲んだ、「メールアート」「世界蜂起」をテーマとした作品をお送りください。
世界蜂起展 松澤宥「最終美術思考工房」 _22世紀に向けた新世界蜂起計画のプロジェクト_
「世界蜂起」とは1971年、72年、73の3回にわたって行われた松澤宥が提唱したメールアートのプロジェクトである。 テーマは ”世界蜂起一、二、三” ”紀元二〇〇〇年にルーブルへ”というものであった。 毎回、99人、或は108人の世界各国のアーティストに呼びかけて、メール(郵便)によって作品を送ってもらうというもの で、展示を前提としてはいるものの、メールアートとはそもそも送るという行為自体がアートであるのだから、別にルーブルな どはどうでもよかった。
「拝啓。貴下におかれてはますますご消滅の事とおよろこび申します。 さてこの度この末世に同時に生きることのきずなの 最後の表現形式、心の共有のための最初の表現形式として、昨年末につづいて「第二回世界蜂起」を実現すべく、 貴下にご参加を勧誘する次第です。これは今后249年間、人類消滅の時まで起こりつづける無数の世界蜂起の中の 第二号です。」 これは1972年の「第二回世界蜂起」の呼びかけ文である。 今回の「最終美術思考工房 世界蜂起展」は、その無数の世界蜂起のなかの第四号である。あと208年もあると言うべきか、あと208年しかないと言うべきか。 尚、作品は返却せず、あと208年、美学校で保存しアーカイブ化します。 そして、紀元二二二二年大英博物館へ。
展示概要
〈世界蜂起〉・第一回世界蜂起から第三回世界蜂起に送られてきたメールアートからの抜粋。・この度の第四回の世界蜂起に送られてきた作品。
・第三回までの世界蜂起のドキュメント映像。
〈松澤宥の資料とプサイの部屋〉・プサイの部屋に関する写真と資料。松澤宥の思想背景の資料。 〈詩集〉・松澤宥詩集「星またはストリップ・ショウ」とその元原稿。
作品は美学校または世界蜂起実行委員会事務局(伊丹裕)までお送りください。
また、参加希望の方はDMに氏名を掲載させていただきますので、3月1日までに氏名、肩書きをメール・電話・郵送にてお知らせください。
送付先:〒166-0012 杉並区和田3-54-5 B1 世界蜂起実行委員会事務局 伊丹 裕 宛
Tel:03-3315-6950 /Fax:03-3315-6958 / E-mail:info@360para.com
世界蜂起実行委員会:伊丹裕、小坂真夕、窪寺雄二、嶋田美子、黒田典子、長沼宏昌